ロンドン ウェストエンドのミュージカルおすすめ作品
ロンドンを訪れる時は必ず行くと言っても過言ではない、ミュージカル。
ミュージカルといえばアメリカのブロードウェイですが、イギリスはウェストエンド(West End)と呼ばれロンドン中心地に多くの劇場が点在します。
また、ロンドン以外のほとんどの各都市でも劇場を必ず目にするはず。それだけ舞台文化が染みついているということなのかな。
実は私は留学前に英語ミュージカルをやっていたことがあって、その影響で観賞するのが大好きに。リスニングの練習にもなるし、ミュージカルをここまで好きになれてよかった!と留学中いつも思っていました。これだけで私のイギリス生活は何倍にも彩られた。(あ、あと英語の発音めちゃくちゃ向上するので自分がミュージカルやるのはおすすめ。本当に。)
まずミュージカルって突然歌が始まったり踊ったりするからよくわからん…って人も多いはずだけど、そういった歌やダンスがストーリーと結びついていることでより躍動感あふれるパフォーマンスになる。さらに、舞台上で作品全体のメッセージやキャラクター達の細かい心の動きが現れ、見ている人たちの‟共感”を生むことが何よりの醍醐味だと思います。
また、英語の方が日本語訳のセリフ・歌に比べて内容が盛り込まれているのでより深いものになっています。そういった意味でもぜひ英語で生の作品を目にしてほしい。
というわけで。2020年春現在、ウェストエンドにて公演が行われている作品から私のおすすめを紹介します。英語難易度やストーリー難易度、ちょっとした解説もつけているので参考にしていただければ。(熱が入っていちいち長めになってしまった…汗)
- ウィキッド(Wicked)
- オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)
- Dear Evan Hansen(ディア・エヴァン・ハンセン)
- マンマミーア!(Mamma Mia!)
- [番外編] イギリスが舞台の作品:キンキ―ブーツ(Kinky Boots)
ウィキッド(Wicked)
英語難易度 ★☆☆
ストーリー難易度 ★☆☆
おすすめ曲:Defying Gravity, One Short Day, For Good
王道のロングラン作品。ブロードウェイ版の話ですが、アナ雪で一躍名が知られるようになったイディナ・メンツェルが主役のエルファバ役を務めていました。
オズの魔法使いの裏話ですが、そちらを知らなくても楽しめます(私も知らなかった)。
そもそもなぜこれを観に行ったかというと、アメリカのドラマGleeでレイチェルとカートが劇中歌のDefying Gravity、そしてFor Goodを綺麗に歌い上げていてとっても好きな2曲だったから。
実はGlee内でFor Goodが出てくるエピソードまで見ていないんですけど笑、レイチェルとカートの関係性が好きでYouTubeでずっと聴いてた。
正直、この2曲を観るだけでも価値があります。まったくあらすじを調べていなかったので、あんなに重要な場面でこれらが使われていたことに驚くとともに感動も大きかったです。Defying Gravityは迫力すごすぎるから必見。
で、あらすじを知らずに観賞したと言いましたがけっこう英語が聞き取りやすいので誰でも挑戦しやすいです。グリンダというきゃぴきゃぴな女の子の発音と聞き取りやすさが神級(笑)
ミュージカル初心者におすすめの作品です。
オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)
英語難易度 ★★★
ストーリー難易度 ★★☆
おすすめ曲:The Phantom of the Opera, Think of Me
あーーこれも本っっ当に観てほしい。とりあえず人生で一度は騙されたと思って観て。
名前だけはめちゃくちゃ有名だけど内容知らないな…しかもオペラか…と私も思っていました。
が、オペラのクオリティ半端ないです。あの有名なThe Phantom of the Operaを生で聴いたら震え上がること間違いなし。私はウェストエンドライブの際にたまたま生で聴く機会があり、そこで主役であるクリスティーヌの歌声の虜になりました。
ウェストエンドライブ記 ↓
そして何よりおすすめしたい理由が物語のエンディングシーン。正直この作品は英語が難しいし、やっぱりオペラ調の曲ばっかりなので馴染みがないとなんとなく飽きてくるかもしれません。実際私も前半はあの一大曲以外そこまで心打たれず、幕間は特に抱く感想もなくぼーっとしていたのを覚えています。
しかし。最後には、愛というテーマを通してとっても心に響くエンディングが待ち受けています。号泣しすぎてやばかった。たぶん今までに観たどの作品よりも泣きました。
曲がった愛と純粋な愛が絶妙に入り交じったこの作品に胸を打たれること間違いなし。
Dear Evan Hansen(ディア・エヴァン・ハンセン)
英語難易度 ★★★
ストーリー難易度 ★★★
おすすめ曲:You Will Be Found, Waving Through A Window, Requiem
この作品についてはここだけでは本当に語りきれません。そのぐらい素晴らしいと感じた。
ブロードウェイで数年前に上演され大ヒット、ミュージカル界のアカデミー賞といえるトニー賞も受賞しました。
そんな大人気作品がついにロンドンにも上陸。2019年の秋から上演。ずっとこの時を待っていた…
ウェストエンド版の公式インスタアカウント
まずお伝えしなければならないこととして、この作品だけは事前にチケットを購入しておかないと相当厳しいです。
今まで幾度となくウェストエンドでミュージカルを観賞してきましたが、tktsで当日券を買うことしかありませんでした。しかし…ほとんどの場合が高い席しか残っていない、もしくは売り切れ…。
実際に劇場に入って納得。ほとんどの席が埋まっている。
ライオンキングとレ・ミゼラブルだけはいつも当日券が立ち見しか残っていませんでしたが、ロングランかつ超有名どころの作品と並んで連日満員級は相当すごいと思います。
ちなみに英語難易度もストーリー難易度もマックスにしましたが、その理由はセリフがえげつないほど速いから。多少の予習をおすすめしますが、英語がわからなくても伝わるものが必ずあります。それだけキャストの演技力の高さが半端ないです。
作品の説明としては、社会不安障害を持つ高校生が主人公でキャストはたったの8人。SNSなど現代だからこそ抱えやすい「孤独」がテーマとなっており、登場人物それぞれが抱える悩みや苦悩が非常に綺麗に描かれています。それだけに会場では号泣する人がけっこう続出してました。
そのような一見重いイメージとは裏腹に、曲は非常にキャッチーなものが多い。この作品の評価が高い大きな理由だと思う。
実は作曲を手掛けたのがラ・ラ・ランドの作曲者さんだそうで。正直こっちの方が出来がいいのでは、と私は思っています(笑)でも本当に納得なほどのクオリティの高さ。一曲目から楽しめること間違いなしです。代表曲You Will Be Foundは非常に明るく素晴らしい。けど、話の中では落とし穴も…もともとこの歌が大好きでよく知りすぎていたからこそ、不意をつかれてびっくりさせられました。
まずい…熱がこもって長くなってきた。助演のZoe役がとっても綺麗な歌声で虜になるのでぜひ注目してみてください。ソロ曲のRequiemは美しすぎて惚れます。
本当に大好きな作品なので、いつかひとつの記事にして語れたらいいなぁとも思っているところ。
↓チケット購入はこちら(ぜひ買いましょう。笑)
Dear Evan Hansen | London | Official Site
マンマミーア!(Mamma Mia!)
英語難易度 ★★☆
ストーリー難易度 ★☆☆
おすすめ曲:Gimmie! Gimmie! Gimmie!
とりあえず盛り上がりを感じたかったらこれ!映画も有名なので、あらすじを知っている方も多いはず。
で、なぜ盛り上がりがポイントなのかというと、物語が終わった後のカーテンコールで数曲をお客さんと一緒に歌う時間があります。確かMamma Mia!とDancing Queenともう何曲か、Super TrouperとWaterlooだったかな。隣に座っていた若い女の子二人組がやたらと歌詞を覚えようとしてるな…と不思議に思っていたらこのカーテンコールで歌いまくっていました。そういうことか。
もはや劇場がクラブと化します。クラブは行かないけど、こんな雰囲気を味わえることもないだろうしせっかくならと私も大声で歌って踊りました。楽しかった~。周りを気にしなくていいのも気楽でした
それから映画ではアメリカ英語である一方、ミュージカルではがっつりのイギリス英語です。後述するキンキーブーツと並ぶぐらいがっつり。
なのでイギリス英語を楽しめるという意味でもおすすめ。ただ、ごりごりのイギリス英語で速いストーリー展開に追いつけない可能性があるので、あらすじを忘れかけている方は登場人物の名前だけでも押さえておくとより理解もしやすいと思います。
個人的には楽しい曲が続けざまに出てくる1幕が好きです。Gimmie! Gimmie! Gimmie!楽しい。アンサンブル含めキャストほぼ全員が歌って踊る曲なのでとても見応えがあります。
[番外編] イギリスが舞台の作品:キンキ―ブーツ(Kinky Boots)
英語難易度 ★★☆
ストーリー難易度 ★★☆
おすすめ曲:Take What You Got, Land of Lola, Raise You Up/ Just Be
来たー!これですこれ。
日本版で三浦春馬さんが演じられていたので、ご存じの方ももしかしたらいるかも。ちなみにこの作品は私のブログでも少しだけ紹介したことがあります。
キンキ―ブーツはノーザンプトン(Northampton)というイングランド中部にある街が舞台となっており、もちろんイギリス英語です。ブロードウェイでも上演されていますが、恐らく同様にイギリス英語で演じられているでしょう。
残念ながらウェストエンドでは2019年の1月に終演してしまったのですが、その後UKツアーと称してイギリスのあらゆる都市を回って上演してました。私の留学先にもその年の夏に2週間ほど来ていました。なぜ私はいなかったんだ…(号泣)
一言に、とってもとっても楽しい作品です。明るくLGBTのことが描かれています。
これは他でも言えることなんだけど、近年話題になってきているLGBTの人たちって困難がたくさんある一方、それに立ち向かっているからなのか自分らしさがはっきりしていて本当に素敵だと思う。マツコなんかもテレビで見てるとすごく優しいし。見習いたいです。
この作品を見るだけでも色々刺激を貰えるのではないかな、と思う。観劇した後にはなんだかエネルギーが湧き上がってくる、そんな内容です。
さて、案の定解説に力が入ってしまいましたが、つまりはミュージカルってすごく面白いものなんだよってことをお伝えできたら本望。日本ほどハードル高くないし、劇場でも本当に色んな層のお客さんが見受けられるから親しみやすいものなんだと思います。
あとはじめにも言ったけど英語の生の作品ってほんとにいい。言葉がド直球に伝わる。英語マニア的にはセリフ中の言葉の使われ方とか見るのが楽しいんだよな~笑
何はともあれ、映画見に行くぐらいの感覚で一度でも試してみてもらえたら、と思います。何を見ようか迷ったとき、この記事が少しでも役立ってくれたらいいな。(半ば自己満なのは否定できない)
ミュージカルがもっともっと人々に近い文化となることを願って。