語学学校と学部の違い(学部編)
課題の息抜きに留学生のブログを読むことが多いのですが、やはりこっちの大学や院を出た人の記事は面白い。
前は夫の仕事上でついてきたみたいな人のブログもいくつか読んでいたけど、学生とは環境が違うこと、無駄にお花畑な感じの方がちらほらいることなどから読み続けるのをやめました(^^;
今は来週のロンドン日帰り旅に向けて旅行記事を少し調べていたのですが
旅行者の記事もやっぱりうーん…ってなる。
これは自分にも大いに言えることなんだけど
母国と旅行先または留学先の違いを発見して、そこで感動するのはいいものの
それに比べて日本はって母国を悪く言うのは違うなと思うし、反対に真新しい土地や文化を無駄に高評価するのもまた違うんだろうなって。
そう考えると、たまに旅行というものに対して意味を見いだせなくなる
最近は写真だけ撮っておわりって人も少なくないしね…難しいところです。
本題に戻ると
語学学校と学部の違い後半編、今回は現地大学の学部留学についてお話します。
~学部~
まず念頭に置いておきたいのが、「現地の大学で現地の学生と同じように授業を受ける」ということ。
とても厳しそうに見えると思います。実際厳しいです。
しかし、たとえ一学期しかいないとしても、もがいていけば必ず得られるものはあるはず。苦しんだ分だけ成長できます。
・留学生の多様さ
語学学校とは比べ物になりません。
中国人の多さは相変わらずですが、前の記事に書いたような数の暴力は起こらないです。あー中国人だなってスルーできます(直接関わらないと、どうしても彼らを悪く見てしまう癖はなかなか直らない…でも向こうも関わってこないんですもん)。
キャンパスを歩いているだけでもその多様性は感じることができるのですが、クラスひとつを取ってもよくわかります。
例えば現在私の取っているモジュールのひとつは15人ほどのセミナーでルーマニア人、ナイジェリア人、ベトナム人、中国人、日本人がいます。モジュールの内容も影響しているとは思いますが、ざっと見て半分は留学生。
同じモジュールのレクチャーとなれば、さらに国籍は広がります。把握できている限りではアフリカ系とコロンビアは少なくともいる。
別のモジュールでもアメリカ人、イタリア人、ノルウェー人などと数えたらキリがありません。イギリス人の学生が帰省している頃はキャンパスでよくフランス語が聞こえてきました。
・レクチャー/ セミナー形式
先ほどレクチャーとセミナーという言葉が出てきてなんだろう…?と疑問に思った方も少なくないのではないでしょうか。
イギリスの大学では履修科目をモジュールと呼び、どのモジュールにもレクチャーとセミナーが存在します。
レクチャーはいわゆる講義、モジュールを履修している学生全員が授業を受けます。一方セミナーは15人前後に編成された少人数のクラスのようなもので、レクチャーで扱った内容にさらに深入りするためディスカッションやプレゼンを行います。
え、ディスカッション?プレゼン!?と気が引けてしまうかもしれませんが、正確にはディスカッションはディベートと異なり、ある質問に対して意見のある人が発言していくスタイルが主です。
教授によってはなるべく多くの学生からの発言を促すため、パートナーワークやグループワークで意見を共有してからみんなの前で発表という形を取ることもあります。
プレゼンがコース内容に含まれている場合、基本的に学期中のセミナーの中で一度発表する機会があります。
ここまで読んでやっぱり学部は…と尻込みしてしまいそうですが、一度入ればまあなんとかなるものです。やっぱり今でも緊張するものの、そのぐらいの緊張のなかでやった方が自分のためになると信じています。
・教授の英語
少し詳細な話。教授の英語です
学部の教授は語学学校の先生と違い、話すスピードに容赦がありません。時間もかなり限られた中で講義を行わなくてはならないため、とにかく速いです。
また、教授はイギリス人とは限りません。私の履修しているモジュールはイギリス人、アルゼンチン人、ギリシャ人と全員異なります。教授の母国語によってアクセントなどかなり変わってくるので、そのような面から聞き取りに苦労することも少なくないです。
・課題
まあこの前の記事で散々書き散らしたのでもう簡単にだけ。課題の重さです。
私は語学学校時代、まったくと言っていいほど宿題がありませんでした。そのため学部に移動してからの課題の頻繁さと重さに初めは衝撃を隠せず、成す術がなかったのを覚えています。
ただ友人はそこまで時間がかかっていないそうなので、単に私の要領が悪いという部分も大きいかと思われます…しくしく。
・規模の大きさ
これも語学学校と比べて明白な点です。日本の大学を想像していただければわかると思います。
語学学校にいた経験のある友人たちは、大学に来てからの方が孤独だとみんな言います。私もその一人です。広い敷地、ペラペラと英語を話す学生たち、なかなかできない友達…やっぱり孤独感に苛まれる瞬間はあります。
ただ、私にしてみれば日本の大学にいた頃も学内の友達が少なく、一人で行動することが多かったのでまあこんなもんだという感じでした。逆にこっちの方が日本人同士の結束が強かったりセミナーの知り合いに遭遇したり、人と会うことは多いのかも。
というか、ペラペラ外国語を話す学生たちに囲まれてると変に諦めがつくというか、周りをあんまり気にしなくて済むんです。
図書館なんて友人といったことはありません。いつも一人で課題と闘ってます。図書館には友達といる人、一人で勉強する人、いろいろいますが、みんな話す言語は英語だからいい感じに聞き流せるし人と違ってもいいっていう楽さがあるんですよね。いつかこの辺についての記事も書ければなと思っているところ。
寂しくなった時はまだ語学学校に残っている友人たちのもとへ逃げ込むこともあります(移動したての頃はけっこうそうでした)。日本人でも全然いいと思うので、心の逃げどころを作っておくといいかもしれません。辛いと感じたら逃げちゃいましょう。結果的に立ち向かえればそれでいいんです。
・寮
これもだいぶ違います。語学学校の寮では存在しなかったフラットというものに直面しました。
私のフラットは13人中11人がイギリス人、自分含め2人が留学生です。ただもう一人の留学生はいまだに一度しか姿を確認したことがありません。
正直、クラスよりもイギリス人の割合が多くなかなか勇気が出ないことが多かったです。初めは共用のキッチンにどれだけの覚悟を決めながら行っていたことか…ドアの前まで行って誰かいるか様子を窺うこともありました(今でもよくしちゃっています)。
フラットメイトと馴染めればとてもいいと思いますが、やっぱりハードルが高いです。それでもなんとか少しずつ慣れ、今では会う度に話す人が二人ぐらいはできました。この二人の存在は私にとってかなり大きいです。
毎回ではなくてもたまに話す人もかなり増えました。やっぱり大学生だしいろんなタイプの人がいますが、優しくしてくれる人はきっといるはずです。
語学学校時代は何に関してもわりと上手くいっており、英語も特に問題なく自分はもうなんでもできるのではないかと思ったこともあります。が、学部に来てからはそれが錯覚であったとわかり困難に直面することや英語がなかなか通じない・わからないことも圧倒的に増えました。
でも、それって喜ばしいことだと思います。英語話せない、友達できない、課題辛い…バンザイです。
学部に来てから2か月経ちましたが、お陰で語学学校時代とはまた違う成長の仕方ができました。たぶん残りの期間でもう少し適応できるようになって、帰る頃には離れるのが寂しくなるんだろうなあと思います。留学や海外研修って、やっとできたと思ったら帰国なんですよね。
このように、語学学校と学部での経験がだいぶ異なること、それぞれで発見があること、辛いながらもその分だけ成長できることなどから、一学期とはいえ学部に留学することはとても意味のあることだなと実感しています。
ただひとつ言えるのは、やはりそれなりの英語力を身につけておくことです。もしスコアが足りなかったり話すことに自信がなければ、私のように段階を踏んだやり方もいいと思います。
イギリスではとりわけ日本人の留学生向けに学部聴講(イヤーアブロード)プログラムといって、一年の間に語学学校で十分な英語力をつけてから実際大学の学部での授業を体験できるコースが用意されている大学があります。"Year Abroad UK" で調べてみるとちょこちょこ大学のサイトが出てきますので、ぜひ。
あくまでも「聴講」なので単位は関係ありません。ただ、単位を取りに来た交換や単位認定留学生だけでなく、最終的にその大学を卒業する学生と同じレベルで授業を受けることには変わりありません。課題もこなすしセミナーにも参加します。
学部での挑戦はいい「経験」になるだけでなく、後にも繋がる力になると思います。
この記事を読んで、一人でも多くの方が学部に挑戦してみようかなと思っていただけていれば何よりです^^