キママブログ

学生時代にイギリス留学を経験し、現在社会人2年目です。最近は書きたい時に書きたいことを書いています。留学やイギリス関連はバックナンバーをご参照ください。

映画レビュー:「私なんて」と思うとき

 

突然、とてつもない孤独感にさいなまれる

 

いつも振る舞っている私は見せかけで、この沈んだ自分をさらけ出せる場所がない__

 

 

最近、私が定期的に抱く感情である。

 

仕事で下積みを終え、数ヶ月前から本格的な業務をやるようになった

 

一年以上やりたいと思っていて、ようやくここまで来たと思ったのに

そこには想像以上に「できない自分」がいた

 

頭の中でやるべきことが処理できず、散っていく感覚。

必死で拾い集めていると、時間ばかりが経つ。

そんな自分にイライラする日々

 

私は昔から自分に自信がなくて、自己肯定感がとても低いのは自覚している。

それにしても最近はかわいそうなほど自分を貶めてしまっていて、できない自分をぐしゃぐしゃにしてしまいたい衝動に駆られる

 

母親こそメンタルが強くなくて、どうしてそんなに気持ちが落ちてしまうのか理解できなかった

でも、もしかしてこういう感覚なのかなと思うようになった

 

 

歯止めがきかないぐらい自分の価値を落としている感覚

 

そんな日々に小さな気付きをくれる作品があった

 

ホームステイ

 

昔好きだったカラフルが原作で、CMで主人公の名前を見て一瞬で思い出した

 

結末はわかっていたけど

今回はこの作品のメッセージ性に強く心を動かされた

 

 

主人公、シロは小林真という一度死に至りかけた男子高校生の死の要因を探る

 

家族や想いを寄せていた人、色んなことが重なり

「自分は誰にも見られていない。みんなの目に自分は入っていない。

死ぬことでようやく気付いてもらえるのではないか」

と思い詰め自殺に至った

 

この時点でとんでもないDear Evan Hansen感。

 

 

死の要因を知ったシロは絶望していたけど、視聴している第三者からすると「そんなことないよ、真はちゃんと誰か(特にあきら)に見てもらえてるじゃん」って思った

いつもは冷たい兄も、帰ってこない弟を「もう同じ想いはしたくない」と必死に探しに行こうとしていた

 

そういうとこに気付いていなかったのは真の方だった

それが管理人に出題された「真の過ち」だった

 

この作品では「過ち」って表現されてるから人によっては悪いことのように受け取ってしまうかもしれないけど

これって私たちの中でも常日頃起きかねないことだなって思った

 

「周りが気付いてくれていることに気付かなかったのは真だった

真はちゃんと、愛されていたんだよ」

 

シロが真に向けて書いた手紙がすごくすごくじーんときた

 

他人には気付けることが、自分自身のことになると途端に見えなくなる

それは思い込みであったり、自信のなさであったり

色んなことが邪魔してしまっているんだと気付いた

 

シロも初めからシロ自身が真であるとわかっていたら、このことに気付けなかったと思う

 

家族であったり、友人であったり、会社の人であったり

 

決していい関係でなくても、仲が良くなくても

見てくれている人がいる

このことにもっと気付けるようになりたいなと思ったし、そういう世界が広がるといいなと思う

 

私自身、家族にはあんまり態度がよくないんだけど

自分のことをずっと見てくれているのかなと思うと(それが鬱陶しく感じることもあるのだけど…)ありがたいことなのかなって

 

 

一人じゃない

 

それを教えてくれるのは他の誰かではなく、

まずは自分なんだろうな

 

自分を愛するってすごくすごく難しいこと。

その時は、少し客観的に振り返ってみて

あ、誰かに見てもらえているんだな、それなら自分の人生もう少し愛してみようかなって思えるといいな

 

Life will love you back

あなたが人生を愛せば、人生もあなたを愛してくれる

 

胸に刻みたくなる作品でした

 

映画レビュー:誰にでもある見えない一面

初めて細田作品を観た。

そもそもディズニーとジブリ以外のアニメ作品を観ること自体、本当に珍しいかも。

 

竜とそばかすの姫

 

気になったのは仮想空間という現代らしい舞台と、歌がテーマになっていたこと。

Dear Evan HansenもSNSをテーマに人の孤独を描いており、非常に共感を覚えた。

賛否両論あるらしいというのも気になった理由のひとつかも。

 

結論、とても気に入りました。

映像の美しさ、音楽の美しさ、物語の美しさ…

色んな美しさが凝縮されていた作品だったと思う。

 

私も歌うのが好きだけど、カラオケとか曲と合わせて歌おうとすると喉がぎゅっと詰まった感じになって声が思うように出なくて。あ、全然上手くない。ってなる

でも、ただ自分のペースにしたがって歌うときはすごく声が出る。気持ちがいい。ちょっと上手いかもって思える。

 

だから鈴が鈴である時にカラオケを拒み、歌おうとしてみても音が取れず、苦しくて川に向かって吐いていたシーンはすごくわかるものがあった。

そこからBelleとして歌う時は声も表情もすごく豊かで自由になった感じがあって、その気持ちよさがこちらにも伝わってきた。

 

 

自由に歌える楽しさ、自分でない自分でいられる時の高揚感。

みんな、自分でない誰かになりたいと思う時があると思う。

 

でも、「自分でない誰か」ばかりが受け入れられるにつれて

本当の自分を出すことが怖くなる。

本当はこんな普通なのに、こんなちっぽけなのに。

 

Twitterのフォロワー数が万単位の方にお会いした時、「見ている人が増えるほど色んなことを発信するのが怖くなる」といったことを話していたのを覚えている。鈴はまさにこれだと思った。

 

なりたい自分というのは他者から認められる、称賛されることが主だと思う。いわゆる承認欲求から生まれる理想像ともいうべきか。

そして、大抵はその他者に支持される人物像=真の自分ではない。ここの矛盾に悩む人はとても多いはず。

私もまさにそうで、たぶん接する人やコミュニティによって自分の見せる部分を変えている。全部を見せている人って恐らくほとんどいない。自分の大事にしているもの、価値観をあまり公にしないタイプだから家でたんまりと自分の世界に浸ることが多いかも。

それでも自分の持っている世界、本当の自分を少しでも周りに見せたいと思っている。

 

鈴は物語の最後、創造の世界で作り上げたBelleとしてではなく、鈴としてのありのままの姿で助けたい人に呼びかける。その勇気、鈴=Belleとして自我が重なった時、美しい歌声と音楽でラストスパートを一気にかけられた。ありのままの鈴がUの世界でも通用し、ASに、そしてオリジンの人たちに届いたからあの合唱シーンが生まれたんだと思う。

共感を生み、人とわかちあえた上でのあの合唱はすごくすごく美しくて感動した。

 

ところで劇中に出てくる鯨は何の役割を果たしているんだろう…52ヘルツのクジラたちを読んだ後だからか気になる。鯨ってメッセージ性があって好き。

 

あの音楽を聴きたくて、また違う視点で見たくて、また観に行きたいなと思った。

素敵な作品でした。

 

小説レビュー:声なき声

 

「52ヘルツのクジラたち」を読み終えた思いの丈をどうにか表現したくて、ここを選んだ。

思いつきの文章だからまとまってないけど、言語化できて満足している。

ネタバレあるので悪しからず。

 

 

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物語のキーとなるクジラの声

言われてみれば、なんとなく想像できる鳴き声。

気に留めたことはないが、穏やかなものを感じる。深い海に深く轟く声。

 

それが、周波数の違いで誰にも気付いてもらえない52ヘルツのクジラがいるという。世界で一番孤独な存在。

とてつもなく寂しいはずなのに、なぜか同時に美しさを感じた

 

 

物語の中で印象的なシーンがある。

主人公が決定的な行動に移せるきっかけとなった、クジラの夢。

クジラの声はアンさんの声で、貴湖への「たすけて」のメッセージ。描かれ方がすごく神秘的で、深青の世界を想像するととても綺麗な、穏やかな気持ちになった。

 

そんなアンさんの抱えていた苦しみ、52ヘルツの声を想像するだけで胸が締め付けられた。

 

貴湖と初めて出会った時の気付き、貴湖を救いだした時の「魂の番」の話、「誰よりも貴湖のしあわせを願っている」などといった言葉がけの数々

 

どうしてアンさんはこんなにも神のような、仏のような優しさを持っているのだろう。こんな人がいてくれたらと思うけれど、あまりにも非現実的ではないか。

その性格に感激しつつ、貴湖にとって半生の支えとなってくれていたことに安堵しつつ、どこか懐疑的に感じていた。

 

が、それはアンさんにとってどうしようもないバックグラウンドがあったのだと知った時、貴湖や52の受けた暴力よりも大きな石を打ちつけられたような衝撃だった。

 

愛したい人を愛せない。愛してはいけない。

それは、もしかしたら放棄された愛よりも辛いものかもしれないと感じた

涙が止まらなかった

 

アンさんが自らの命を奪ってしまったことがやるせなかった

貴湖にも自分のことを責めないでほしかった

 

人格者は苦しみを知っているから人格者になれる

人の苦しみは救ってあげられるのに、自分の苦しみを背負いすぎている

アンさんが亡くなる経緯のシーンはとてもとても辛かった

 

 

ただ、貴湖は生前のアンさんの声を聴くことはできなかったけど、52ヘルツのクジラとして声を聴いてあげることができた

 

貴湖もアンさんもようやく救われた。二人が救われたことによって、52も救われた。

エンディングはこの救いの連鎖がものすごくよかった。ただのハッピーエンドではない、確実な幸せを得ることができた。

 

 

 

私たちにも、そして私たちの周りにもこういった声なき声ー52ヘルツの声が溢れているのだと思う。

これらを聴くこと、聴いてもらえる人に出会うこと

それがひとつでも多く叶えばと願ってやまない。

 

 

ここ数年で一番の作品でした。

出会えてよかった

学生の自分と今の自分

そして、バトンは渡された

 

緊急事態宣言が再発令されて、家で過ごす時間が再び増えた最近

スマホやパソコン、テレビ等液晶を見る時間がどうしても多くなっている

 

でも目を使い続けるのは疲れるしもっと穏やかにゆったりと流れる時間を楽しみたいな、と

久しぶりに小説を読んでいる。本じゃなくて小説。

 

そう、本自体は読んでいたのだけれど

社会人になってから背伸びをしようとしていたのか、ここ一年は思考法とか海外の大統領についての本とか

勉学ちっくな書籍を読むことが多かった

 

確かに面白いんだけど、読んでいるうちに頭の中に入ってこなくなって

気付いたら字面を追うだけになっていて

一文一文、一文字一文字をきちんと理解しようとしてしまう私のじっくりすぎる性格に少々合わなかったみたい

一冊読み終わるのに一ヶ月以上かかることもあった

 

というわけで原点回帰

小中学生の頃に読み漁っていた小説に戻ってみると、やはり世界観にのめりこんでいって

数日で読み終わるように。

 

しかし今回購入した冒頭の小説、読んで1ページ目で気付いた

あ。これ読んだことあるじゃん…

恥ずかしながら完全に忘れたまま再び買ってしまったようだ

 

 

私が好きな小説は学生が主人公のものが多い

好きなドラマや映画も学生や20代の若者が中心となったものを見ている気がする

 

社会人になった今、高校生の青春や大学生の自由さが懐かしく、まぶしくてつい温かい気持ちになってしまう

 

しかし、私の学生生活を振り返ってみると温かくてまぶしいものばかりではなかったよなーとも思う

 

今思えばあんまり悩まずにもう少しどっしり構えて楽しんでおけよ!と喝を入れたい気持ちもあるけど

その時は必死だったんだよね、自分。

 

 

クラスのある小中高と、クラスのない大学

 

私は前者が圧倒的に好きで

大学のいわゆる自由さになかなか苦しむことも多かった

 

私の高校は女子校で、変わった人がたくさんいて

自分の考えみたいなものをしっかり持っている人が多くて、関わっていて面白かった

 

クラスがあれば友達は近くの席の人から少しずつ作っていくことができる

クラスがあればお昼は教室で食べることができる

クラスがあれば担任に見てもらうことになる

クラスがあれば自分の席がある

 

学校にはクラスがあることで色んな問題も起こるって叫ばれたりするけど

周りに恵まれていたのもあって私は得られるものが多かったのかな、と思う

 

 

そんな輪から解き放たれた大学。

 

以前留学中の記事で日本の大学に友達が少なかったってちらっと書いたことがあったけど

大学での一番の課題は友達、居場所作りだった

 

学部で仲良くしたいと思える人がほとんどいなくて

サークルは初めすごく楽しかったんだけど、仲の良かった人たちが辞めていったり別の仲が良いと思っていた人のキャラが変わっていったり

絶対的だと信じていたはずの高校の友達もあの頃とは違って

 

周りの変化についていけなかったんだと思う

みんなが変わっていく中で、一人取り残されるような孤独感があったのかもしれない

 

授業を切りたいというよりも

この授業に出るとお昼の時間を挟まなければいけない

お昼を共にできる友達がいない

食べる場所も見つけなければいけない

 

そんなことで2限と3限を挟む時は片方を切ることも多かった

 

 

苦い思い出の多いキャンパスライフだったな、と苦笑してしまう

 

最近はかつて不登校だったことを打ち明ける人も多い気がするけど

大学でっていうのは聞いたことないしなんか言えない

大学が楽しくない自分に引け目を感じていた

 

 

社会人になって、会社の先輩に大学時代のことを話す機会があった

 

その人がとてもオープンにできる相手だったこともあり

今も会う友達はほとんどいない、そもそも大学内に仲良くしたいと思える人があまりいなかったと率直に言った時

「そうやってはっきり言えるのすごくいいと思う」

と返された

 

少し救われた気がした

 

先輩自身も関係が続く人というのは決して多くないらしく

でも広く付き合えない自分を嫌だな、と思うらしい

 

会社では明るくて取っつきやすく、アドバイスも本当に的確で上司先輩後輩誰からも愛される人なのに

意外な一面だった

 

 

就活の時に「大学生活でやり直したいこと、後悔していることはある?」と聞かれたことがあって

瞬時に出てきた答えは「ない」だった

(サークルとか大学内部での活動にもっと参加できればよかった、と回答はしたけどね)

 

その時、苦い思い出はあっても私は後悔していないんだなと気付いた

アルバイトや学外での活動、留学とキャンパスの外側にエネルギーを向けて

色んなことにぶつかってみることができたからだと思う

 

 

社会人になった今

組織に所属して、日系企業にありがちな?理解できないのにとりあえず従わなきゃいけないこともあるけど

自分を見てくれている人たちがいて、皆で大きなゴールに向かって進んでいく

上手くいかないことがたくさんあっても、サポートしてくれる人がいる

とても恵まれていることなのかなと感じる

 

ま、もし転職することがあればテレワークできることが一番の条件。笑

 

 

学生だって良いことも悪いこともある

後から振り返った時にまあ悪くなかったかな、って思えれば十分だ

 

少しだけ大人として若い彼らを見るとき

楽しんでほしい、はやっぱり願うんだけど

経験・成長しながらもそのままでいてほしいなって思う

変わってもいいけどどこか変わらない、みたいなね

 

 

好きな言葉、"Stay gold"

 

素敵な過去、現在、未来を描けるように。

 

 

やっぱ書くのは楽しいなー

BLMを巡るデモを受けて考える私たちの人種観や行動

 

ご無沙汰しております。晴れて社会人となりましたが、数ヶ月間は在宅での研修が続き、現在は晴れて週5日出勤となっております。極端…

近いうちに社会人になってからのこととか振り返れるといいな。

 

 

さて、今回は最近話題の人種差別について思うことがあり文字に起こしたくて書いています。

 

タイトルのBLMとは"Black Lives Matter"のこと。「黒人の命は大切だ」として現在全米、そして全世界に広まっている人種差別解消運動を指します。

 

人種平等のために訴え続ける市民。平和的な運動と称しているものの、一部では暴力や怪我・物の損壊に繋がってしまっている事例があることも事実です。

中でも高齢白人男性のデモ参加者に対し、警察が突き飛ばして動かなくなった動画は私もかなり衝撃を受けました。

 

倒れて動かない男性を気にかける警察もいる一方、それを制止する警察もいる。

単なる抗議者と警察の対立にはとどまらない、根深い問題がそこにはあるのだなと感じます。

 

 

そんな中、インスタである投稿を見かけました。

 

www.instagram.com

 

多様性促進のためにポール・スミスがモデルやスタッフの採用過程を見直す、カメラの裏側を代表して表しているともいえる"写真"をすべて評価し直すといった内容です。

 

すごく面白いなと思いました。

少なくともインスタを見ている限りではポール・スミスは様々な人種をモデルに採用しているし、商品デザインも日本の鯛焼きをモチーフにしているものがあったりとかなり個性的です。

 

それでもなお人種平等や多様性を追い続ける今回の改定。

そこには単に彼らの価値観だけにとどまらず、それを“発信することがステータスになる”といったような風潮、流行のようなものなのではないかとも思うのです。

 

 

一方で、日本人を考えてみると

私たちは思うことがあってもそれをなかなか表に出そうとしない。それが政治的な事柄や社会問題であればあるほど。

だからデモもほとんど起きない。

 

 それは日本人の悪いところだと劣等感があったけど、案外そんなこともないのかなと今回の一連の件でより一層思うようになりました。

 

そもそも人種に限定して言えば、日本は世界でも稀なほぼ単一民族で構成されています。

見た目も似ていて、髪や目の色も基本は黒。島国の影響か混血もあまりなく、人と違う、ということを感じにくい人種なのかもしれません。

アメリカは「人種のるつぼ」という言葉があるように、非常に複雑なバックグラウンドを抱えているといえます。それは留学していたイギリスでもそうでした。

 

 

このように考えると、抱える問題意識の程度に差が出てくるのも納得だし、国民性の違いも大いに起因してきていることがわかります。

 

マスクの着用義務が自由を侵害しているなんて考えたこともないです。確かに本当なら全然つけたくないし、しかも今年の猛暑の中でなんて地獄だった。それでも感染の拡大を防止するため、マスクの着用を通じて互いに協力し合っている。

 

そもそも風邪や感染症が流行りやすい時期にマスクを着ける、また自分がなった際に他人に移さないよう着ける、というのはこれまでもごく自然に行われてきたことで、そこには日本人の相手に対する思いやりや自分を守るという価値観が働いていると感じます。

あまりにも自然にやってきたために目立っていないだけで、もしかしたら国外の人からすれば感心されることなのかもしれない。そう考えると、日本には日本の尊重されるべき行動や考え方があるのではないかと思います。

 

一方外に目を向けてみると、感染拡大なんて二の次で人が密集して抗議を行っている。デモが過激化するのも最近は日常茶飯事で、もはや目的が異なっているのではないかと感じるような行動まで見受けられる。

運動に参加することに重きが置かれるのは当然のことだけど、かえって危険にさらされる人が増えることはあってはならない、とキング牧師の考えに倣うと思ったり。正論は主張するべきだけど、武器として振りかざしては不本意な結果を招きかねない。

 

大事なのは、行動の先だと思う。そして追い続けること。

 

 

話が逸れてきた気しかしないけど、人種観をはじめある価値観に対する行動っていうのは国や地域によって全然違うんだろうなと思います。

どれがいい、悪いと一概に決めつけるのではなく、切り口を変えてひとつの物事を見ると考えが広がるんだろうな。世界で色んなことが起こっている今だからこそ、記事にしてみました。

 

 

ロンドン ウェストエンドのミュージカルおすすめ作品

 

ロンドンを訪れる時は必ず行くと言っても過言ではない、ミュージカル。

 

ミュージカルといえばアメリカのブロードウェイですが、イギリスはウェストエンド(West End)と呼ばれロンドン中心地に多くの劇場が点在します。

また、ロンドン以外のほとんどの各都市でも劇場を必ず目にするはず。それだけ舞台文化が染みついているということなのかな。

 

実は私は留学前に英語ミュージカルをやっていたことがあって、その影響で観賞するのが大好きに。リスニングの練習にもなるし、ミュージカルをここまで好きになれてよかった!と留学中いつも思っていました。これだけで私のイギリス生活は何倍にも彩られた。(あ、あと英語の発音めちゃくちゃ向上するので自分がミュージカルやるのはおすすめ。本当に。)

 

まずミュージカルって突然歌が始まったり踊ったりするからよくわからん…って人も多いはずだけど、そういった歌やダンスがストーリーと結びついていることでより躍動感あふれるパフォーマンスになる。さらに、舞台上で作品全体のメッセージやキャラクター達の細かい心の動きが現れ、見ている人たちの‟共感”を生むことが何よりの醍醐味だと思います。

また、英語の方が日本語訳のセリフ・歌に比べて内容が盛り込まれているのでより深いものになっています。そういった意味でもぜひ英語で生の作品を目にしてほしい。

 

というわけで。2020年春現在、ウェストエンドにて公演が行われている作品から私のおすすめを紹介します。英語難易度やストーリー難易度、ちょっとした解説もつけているので参考にしていただければ。(熱が入っていちいち長めになってしまった…汗)

 

 

 

ウィキッド(Wicked)

英語難易度  ★☆☆

ストーリー難易度  ★☆☆

おすすめ曲:Defying Gravity, One Short Day, For Good

 

王道のロングラン作品。ブロードウェイ版の話ですが、アナ雪で一躍名が知られるようになったイディナ・メンツェルが主役のエルファバ役を務めていました。

オズの魔法使いの裏話ですが、そちらを知らなくても楽しめます(私も知らなかった)。

 

そもそもなぜこれを観に行ったかというと、アメリカのドラマGleeでレイチェルとカートが劇中歌のDefying Gravity、そしてFor Goodを綺麗に歌い上げていてとっても好きな2曲だったから。

 

www.youtube.com

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実はGlee内でFor Goodが出てくるエピソードまで見ていないんですけど笑、レイチェルとカートの関係性が好きでYouTubeでずっと聴いてた。

 

正直、この2曲を観るだけでも価値があります。まったくあらすじを調べていなかったので、あんなに重要な場面でこれらが使われていたことに驚くとともに感動も大きかったです。Defying Gravityは迫力すごすぎるから必見。

で、あらすじを知らずに観賞したと言いましたがけっこう英語が聞き取りやすいので誰でも挑戦しやすいです。グリンダというきゃぴきゃぴな女の子の発音と聞き取りやすさが神級(笑)

 

ミュージカル初心者におすすめの作品です。

 

 

オペラ座の怪人The Phantom of the Opera

英語難易度  ★★★

ストーリー難易度  ★★☆

おすすめ曲:The Phantom of the Opera, Think of Me

 

あーーこれも本っっ当に観てほしい。とりあえず人生で一度は騙されたと思って観て。

 

名前だけはめちゃくちゃ有名だけど内容知らないな…しかもオペラか…と私も思っていました。

が、オペラのクオリティ半端ないです。あの有名なThe Phantom of the Operaを生で聴いたら震え上がること間違いなし。私はウェストエンドライブの際にたまたま生で聴く機会があり、そこで主役であるクリスティーヌの歌声の虜になりました。

 

ウェストエンドライブ記 ↓

maguro11rn.hateblo.jp

 

そして何よりおすすめしたい理由が物語のエンディングシーン。正直この作品は英語が難しいし、やっぱりオペラ調の曲ばっかりなので馴染みがないとなんとなく飽きてくるかもしれません。実際私も前半はあの一大曲以外そこまで心打たれず、幕間は特に抱く感想もなくぼーっとしていたのを覚えています。

しかし。最後には、愛というテーマを通してとっても心に響くエンディングが待ち受けています。号泣しすぎてやばかった。たぶん今までに観たどの作品よりも泣きました。

 

曲がった愛と純粋な愛が絶妙に入り交じったこの作品に胸を打たれること間違いなし。

 

 

Dear Evan Hansen(ディア・エヴァン・ハンセン)

英語難易度  ★★★

ストーリー難易度  ★★★

おすすめ曲:You Will Be Found, Waving Through A Window, Requiem

 

この作品についてはここだけでは本当に語りきれません。そのぐらい素晴らしいと感じた。

ブロードウェイで数年前に上演され大ヒット、ミュージカル界のアカデミー賞といえるトニー賞も受賞しました。

そんな大人気作品がついにロンドンにも上陸。2019年の秋から上演。ずっとこの時を待っていた…

 

www.instagram.com

ウェストエンド版の公式インスタアカウント

 

まずお伝えしなければならないこととして、この作品だけは事前にチケットを購入しておかないと相当厳しいです。

今まで幾度となくウェストエンドでミュージカルを観賞してきましたが、tktsで当日券を買うことしかありませんでした。しかし…ほとんどの場合が高い席しか残っていない、もしくは売り切れ…。

 

実際に劇場に入って納得。ほとんどの席が埋まっている。

ライオンキングとレ・ミゼラブルだけはいつも当日券が立ち見しか残っていませんでしたが、ロングランかつ超有名どころの作品と並んで連日満員級は相当すごいと思います。

 

ちなみに英語難易度もストーリー難易度もマックスにしましたが、その理由はセリフがえげつないほど速いから。多少の予習をおすすめしますが、英語がわからなくても伝わるものが必ずあります。それだけキャストの演技力の高さが半端ないです。

 

作品の説明としては、社会不安障害を持つ高校生が主人公でキャストはたったの8人。SNSなど現代だからこそ抱えやすい「孤独」がテーマとなっており、登場人物それぞれが抱える悩みや苦悩が非常に綺麗に描かれています。それだけに会場では号泣する人がけっこう続出してました。

 

そのような一見重いイメージとは裏腹に、曲は非常にキャッチーなものが多い。この作品の評価が高い大きな理由だと思う。

実は作曲を手掛けたのがラ・ラ・ランドの作曲者さんだそうで。正直こっちの方が出来がいいのでは、と私は思っています(笑)でも本当に納得なほどのクオリティの高さ。一曲目から楽しめること間違いなしです。代表曲You Will Be Foundは非常に明るく素晴らしい。けど、話の中では落とし穴も…もともとこの歌が大好きでよく知りすぎていたからこそ、不意をつかれてびっくりさせられました。

 

まずい…熱がこもって長くなってきた。助演のZoe役がとっても綺麗な歌声で虜になるのでぜひ注目してみてください。ソロ曲のRequiemは美しすぎて惚れます。

本当に大好きな作品なので、いつかひとつの記事にして語れたらいいなぁとも思っているところ。

 

↓チケット購入はこちら(ぜひ買いましょう。笑)

Dear Evan Hansen | London | Official Site

 

 

マンマミーア!(Mamma Mia!)

英語難易度  ★★☆

ストーリー難易度  ★☆☆

おすすめ曲:Gimmie! Gimmie! Gimmie!

 

とりあえず盛り上がりを感じたかったらこれ!映画も有名なので、あらすじを知っている方も多いはず。

 

で、なぜ盛り上がりがポイントなのかというと、物語が終わった後のカーテンコールで数曲をお客さんと一緒に歌う時間があります。確かMamma Mia!とDancing Queenともう何曲か、Super TrouperとWaterlooだったかな。隣に座っていた若い女の子二人組がやたらと歌詞を覚えようとしてるな…と不思議に思っていたらこのカーテンコールで歌いまくっていました。そういうことか。

もはや劇場がクラブと化します。クラブは行かないけど、こんな雰囲気を味わえることもないだろうしせっかくならと私も大声で歌って踊りました。楽しかった~。周りを気にしなくていいのも気楽でした

 

それから映画ではアメリカ英語である一方、ミュージカルではがっつりのイギリス英語です。後述するキンキーブーツと並ぶぐらいがっつり。

なのでイギリス英語を楽しめるという意味でもおすすめ。ただ、ごりごりのイギリス英語で速いストーリー展開に追いつけない可能性があるので、あらすじを忘れかけている方は登場人物の名前だけでも押さえておくとより理解もしやすいと思います。

 

個人的には楽しい曲が続けざまに出てくる1幕が好きです。Gimmie! Gimmie! Gimmie!楽しい。アンサンブル含めキャストほぼ全員が歌って踊る曲なのでとても見応えがあります。

 

 

[番外編] イギリスが舞台の作品:キンキ―ブーツ(Kinky Boots)

英語難易度  ★★☆

ストーリー難易度  ★★☆

おすすめ曲:Take What You Got, Land of Lola, Raise You Up/ Just Be

 

来たー!これですこれ。

日本版で三浦春馬さんが演じられていたので、ご存じの方ももしかしたらいるかも。ちなみにこの作品は私のブログでも少しだけ紹介したことがあります。

 

maguro11rn.hateblo.jp

 

キンキ―ブーツはノーザンプトン(Northampton)というイングランド中部にある街が舞台となっており、もちろんイギリス英語です。ブロードウェイでも上演されていますが、恐らく同様にイギリス英語で演じられているでしょう。

残念ながらウェストエンドでは2019年の1月に終演してしまったのですが、その後UKツアーと称してイギリスのあらゆる都市を回って上演してました。私の留学先にもその年の夏に2週間ほど来ていました。なぜ私はいなかったんだ…(号泣)

 

一言に、とってもとっても楽しい作品です。明るくLGBTのことが描かれています。

これは他でも言えることなんだけど、近年話題になってきているLGBTの人たちって困難がたくさんある一方、それに立ち向かっているからなのか自分らしさがはっきりしていて本当に素敵だと思う。マツコなんかもテレビで見てるとすごく優しいし。見習いたいです。

 

この作品を見るだけでも色々刺激を貰えるのではないかな、と思う。観劇した後にはなんだかエネルギーが湧き上がってくる、そんな内容です。

 

 

 

さて、案の定解説に力が入ってしまいましたが、つまりはミュージカルってすごく面白いものなんだよってことをお伝えできたら本望。日本ほどハードル高くないし、劇場でも本当に色んな層のお客さんが見受けられるから親しみやすいものなんだと思います。

あとはじめにも言ったけど英語の生の作品ってほんとにいい。言葉がド直球に伝わる。英語マニア的にはセリフ中の言葉の使われ方とか見るのが楽しいんだよな~笑

 

何はともあれ、映画見に行くぐらいの感覚で一度でも試してみてもらえたら、と思います。何を見ようか迷ったとき、この記事が少しでも役立ってくれたらいいな。(半ば自己満なのは否定できない)

ミュージカルがもっともっと人々に近い文化となることを願って。

 

イギリスのコーチ National ExpressとMegabusの徹底比較

イギリスの交通第2編

 

以前イギリスを周遊するなら大型バスのコーチがおすすめという記事を書きましたが

どうやらアクセス数が多いみたいなので、今回はさらに突っ込んで二大バス会社であるNational Express(以下NE)とMegabusの比較をしてみようと思います。意外と違う点もあるので、ぜひ参考にしていただければ。

 

以前の記事

maguro11rn.hateblo.jp

 

初めに重要なことを言っておくと、Megabusはイギリスのカードでしか決済できません。

え!?と拍子抜けした方もいるかもしれません。私もそうでした。

近いうちに変わるといいけど…このカードなら払えたよっていうのがあれば教えてください。

 

というわけで、この記事はイギリスのカードを持っている or 代わりに支払いを頼めるつてがある人向けです。

 

 

値段

前回の記事でも触れた点ですが、どちらが安いかはどのぐらい早く予約するか、またNEのコーチカードを持っているかどうかに依るところが大きいかと思われます。

 

この前の冬にイギリスを再訪した際、短期の観光客だった私はコーチカードを購入しませんでした。滞在中は3回ほどコーチを利用しましたが、その内訳はMegabus2回とNE1回。

大体は利用日の10日前にチケットを取っていましたが、本当に時期や空き状況によってどちらが安いかも変わってくるといった印象でした。

 

 

 

所要時間

これが意外と違うので予約時にきちんとチェックしておきたいポイント。

私のいた街からロンドンまでコーチで行く場合は3時間弱かかるとばかり思っていたのに、実はMegabusを使うと2時間で着くことが最近わかりました。まったく同じ発着場所なのに、実際40分も違った。高速道路か一般道路かでこんなに違うのかな…

いずれにせよこれなら電車と変わらない!

 

 

定時率

そう!これも違う!

前回記事でイギリスのコーチはけっこう定刻に厳しいと書いた気がしますが、やっぱ遅れる時は遅れます。

 

で、これは今までの経験に基づくのですがNEの方が遅延率は高いです。それも少しじゃなくてがっつり30分や1時間遅れることが多いです。あまりにも来なくて周りの人と何時の〇〇行きだよね?って確認し合ったのを思い出した。NEのアプリでバストラッカーがあったはずだから、乗る予定のバスナンバーを入力したら遅延状況がわかります(こないだはなぜかできなかったけど…)。

 

一方、Megabusは今まで遅延に遭遇したことが一度もないです。優秀。

なんなら予定時刻の5分前に出発場所に来ることもけっこうあります。5分前行動、素晴らしい。

 

 

バス内・座席の快適さ

これは個人的な見解ですが、総合点でMegabusの方がいいと思います。

 

まず空調はNEの方がマシかな…寒い時期だとバス内の寒さが体に応える時もあるけど。Megabusは空気がこもってる感じがして、後半きつくなってきます。

一方、バスの揺れでいえばNEはけっこう大変かも。恐らくNEの方が車体が大きくバランスが取りづらいからかと。乗り物酔いしやすい方はお気を付けください。

 

あと座席はMegabusの方が好き。NEに比べると柔らかいし、席と席の間隔も広いように感じる。ただMegabusは走る街によって?ルートによって?車体が異なることもあるので、必ずしも同じタイプに乗れるとは限りません。(ケンブリッジーオックスフォード間に乗った時はローカルバスと見分けがつかなくて乗車し損ねそうになりました笑)

 

 

席の予約

Megabusは一度の乗車につき£1で席の予約ができます。つまり往復とも予約する場合は£2。

予約する必要はそんなにないですが、同行者がいる場合は学生の帰省時期やイベントの周辺(年越しやブラックフライデーなど)は事前に席を確保しておくといいかも。

 

 

ざっとこんなところでしょうか。

どうでもいい違いなんですけど、ドライバーによる車内のアナウンスがNEはほぼ確実に聞き取り不可能なのが面白い(笑) 訛りが強いんだよな~。なので目的地の名前だけはきちんと把握しておくのがいいです。

Megabusはいたって普通に聞き取れるし、こないだは「車内で電話した人はそこで降ろしちゃうよー」って冗談言ってました。コーチの中で電話してる人、けっこう多いんですよね。

 

さて、ここまで来てなんとなくお気づきかもしれませんが、Megabusの方が優れている点が多いです。私も留学終わってから最近気づいた(笑)

なのでコーチカードを持っている場合でも所要時間や価格など比較した上で購入するとよりよいかもしれません。また、Megabusを多用する場合はぜひともイギリスのカードを作りましょう。確か住所とIDを持っていれば作れるはずです。

 

 

前回と今回の記事でイギリスのコーチに関する内容はほぼ書ききったはず。これでコーチマスターになってたくさん乗り回してくださいね。